今月の1枚(2015年11月、パリ郊外)

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大学生の卒業旅行で初めて、南フランスのマントンへ行って以来、
アーティスト、ジャン・コクトーのファンになりました。
自分の思いのままに生きるという、いかにもフランス人らしいその姿勢が
好きで、足跡を辿るようにミイ・ラ・フォレという小さな町のコクトーの
家に行きました。アネモネやケシなど色とりどりの花が咲く庭に、白い家
はありました。のんびりとした田舎の風景とはうってかわって、家の中は
彼の好きなもので溢れていました。愛用の椅子、ヒョウ柄の壁紙に、
遊び心と愛情いっぱいの友人たちとの書簡。訪れる人に向けて展示室に
書かれていたのは、「さわらないで。」という直筆の一言。この家近くに
あるサン・ブレズ教会のコクトーの墓にも同じようにメッセージが書かれ
ています。”Je reste avec vous.= 私は、あなたと共にいる。”亡くなった後
の自分の場所までを演出するコクトー。彼の「粋」な部分にすっかり
惚れてしまった私でした。
                  パリ郊外、ミイ・ラ・フォレにて。山田

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