今月の1枚(2016年11月、トリュフのオムレツ)

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南仏、アヴィニヨンのあるヴォークルーズ県では11月中旬になるとヨーロッパ中の有名シェフやバイヤーが集まるトリュフ・マルシェが開かれます。トリュフツアーを実現したかった私たちは幸運にもトリュフ農家さんをご紹介いただき、その方のご案内でマルシェに行くことができました。その農家さんは、ジョエルさん。トリュフ犬を育てる有名ブリーダーであり、土地を守る農家としても8代目。分厚い掌、たくましい後姿。マルシェでもジョエルさんを知らない人はなく、あちこちから声がかかります。プロバイヤー専用の売買は、横道の駐車場で直接行われます。ジョエルさんが紹介してくださったマダムは布袋を取り出すと、嗅いでごらん、と一言。中にはゴロゴロと見たことのない巨大な物体が入っており、あの独特の香りがストレートに鼻に飛び込んできました。買えるかどうか聞くと、「今日のトリュフは初物で、色も茶褐色。香りも弱く、パテに入れるならいいけれど、そのまま食べるものとしては売れないわ。」との回答。時期や質によって、食べる方法もやはり違うんだと気付かされました。翌日はジョエルさん宅でトリュフ狩りを体験し、トリュフ尽くしランチをいただきました。そのオムレツの美味しかったこと!良いものを知っている農家さんだからこその、シンプルな一番美味しい食べ方。最高に幸せな時間でした。(金子)

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